迷い家は桜の先に

moyohiga

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SAN回復シナリオ

 

推奨技能:三大探索技能

推奨人数:1~2人

所要時間:テキセで1時間程度

 

花見にやってきた探索者は、日本家屋に迷い込んでしまう。

ほんわかした癒し系SAN回復シナリオです。

 

 

■導入

花見に訪れた探索者。

桜の咲き誇る公園では、多くの人が同じように花見を楽しんでいる。

 

「いい天気ですね」

そう、話しかけてきた幼い女の子がいた。

女の子は、「ああ、この先にちょっとした穴場がありますよ、ちょうど、そこの小道を入ったところです」と、穴場スポットを教えてくれる。

 

言われた通りに小道に入っていくと、なるほど穴場なのだろう、人は探索者たち以外には見当たらない。

桜のトンネルを抜けると、そこには日本家屋が建っていた。

迷い家は桜の先にマップ
日本家屋見取り図

■日本家屋(外)

手入れの行き届いている日本家屋。

玄関の戸は開いている。

〈聞き耳〉〈目星〉など

→人の気配はない。

 

周りを歩くのであれば、庭に出て、そこには桜の大木と、井戸がある。

 

〇桜の大木

今まで見たどの桜よりも荘厳で、雅やかな桜の大木。その枝の伸びは美しく芸術的で、圧倒されるとともに桜に包まれ、心地がいい。SAN回復1d3

 

〇井戸

釣瓶が降りている。

あげると、桜の花びらをくみ上げられる。

 

(書棚の本を読んだ後にくみ上げると、違う描写になる。後述「門を抜けるー井戸」)

 

 

■日本家屋(屋敷内)

探索可能なのは土間、居間、風呂場、和室

掃除は綺麗に行き届いている。

 

〇土間

下駄箱に未使用の下駄がある。

 

一角には、台所もある。

竈にはあたたかい白米が炊き上がっている。

〈目星〉

→桜の花びらが数枚落ちている

葉が一枚ある。「おもてなしをさせていただきます」と書いてある。

 

上がり框には、桜の花びらが数枚落ちている。

その中に一枚の葉がある。

葉には「ようこそおいでくださいました。ごゆっくりおくつろぎください」と書かれている

 

〇居間

部屋には囲炉裏と棚がある。

 

囲炉裏の淵に、桜餅の置かれた皿が置いてある。

桜餅はとても美味しい。SAN回復1d3

側には桜の花びらと葉。葉に「どうぞお召し上がりください」と書かれている。

 

囲炉裏には鍋がかかっている。煮魚がおいしそうに出来上がっている。

 

棚があり、骨董品がしまわれている

〈目星〉

→桐の箱を見つける。

その中には桜の簪(男性PCなら紺地に桜のネクタイもしくはカフスボタン)が入っている。

桜の葉と桜が一輪、添えられるようにあって、葉には「どうぞ、お持ち帰りください」と書かれている。

 

 

(風呂を出た後再び居間に戻ると、こんどは温かいご飯と煮魚が置いてある。当然のように、とても美味しい。SAN回復1d3

また料理には桜の葉も添えられている。

「そろそろお帰りでしょうか、こちらを食べてお出かけください」と書かれている)

 

〇風呂場

脱衣所には、着替えと思しきセンスのいい着物が一式置いてある。

その上には桜の花びらと一枚の葉が落ちている。

葉には「よろしければあたたかい湯殿もどうぞ」

 

風呂は檜風呂で、桜の花びらが浮いている。

桜風呂とでもいうのか、豪華な気分を味わえる風呂。ちょうどいい加減のお湯が、身体にしみる。SAN回復1d3

 

着物と簪を身に着けると、すこし背筋が伸びる気持ちとともに、心地いい香りに包まれる。SAN回復1d3

 

〇和室

小さな書棚と文机のある部屋。縁側から外にも出ることができる。

 

書棚に〈図書館〉

→一冊の和綴じの本が目に留まる。

題の無いその本を開くと、以下のような内容。

「門は桜と井戸の間

ふたつ拳で伺いを

さすれば門は開かれよう

 

お楽しみいただけましたか?」

また、ページには桜の花びらが挟まれている。

 

 

文机の引き出し

開けると桜の花びらが大量に入っている。

〈目星〉

→一枚の葉「貴方の笑顔がお礼です」

 

■門を抜ける

〇井戸

書棚の本を見た後、井戸の釣瓶をくみ上げると、先ほど同じようにたくさんの桜の花びらが入っている。

〈目星〉

→一枚だけ、葉が混ざっている。

「お帰りの手順は大丈夫でしょうか。いい日和でしたね。」

 

〇門

桜と井戸の間に立ってノックを二回すると、そこに光る文様の門が浮き上がる。

それは、温かい光をもって探索者を迎える。

門を通ることができる。

 

〈聞き耳〉

→ざわりと桜の木がざわめいて、「さようなら、迷い人、楽しいひと時でした」と聞こえた。その声は、ここに導いたあの少女の声だった。

 

門をくぐったためMP1とSAN1消費

 

■エンディング

気が付くと、もといた桜並木に立っている。

先ほど入ったはずの小道も、少女の姿もそこにはない。

 

ただ、身に着けた着物、手に持った簪などはそのままだった。

そして、身に着けていた洋服などは、風呂敷に汚れないように包まれて持っていた。

 

不思議な出来事は、きっと現実だったのだろう。

少し暖かな気分で、あなたはまた花見を楽しむことでしょう。

 

■報酬

持ち帰ってきた着物、簪(AFではない)

SAN報酬1d10

 

 

 

■解説

最初に出会った少女は、屋敷の桜の大木に住んでいる「桜の精」のような存在です。

彼女が気まぐれで探索者を招き、屋敷でおもてなしをさせた、という話になっています。

 

クトゥルフ神話要素の薄い作品ではありますが、遊んでいただけたら幸いです。